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歯の噛み合わせが全身に与える影響

昨今、日本の歯科医療は、大きく変わろうとしています。すなわち、虫歯や歯槽膿漏が最も大きな課題であった時代から咬合の健康維持という時代に変化してきたと言えます。

 

今から30〜40年前は、ほとんどの歯科医は虫歯の治療に追われていました。毎日、毎日歯を削って、欠損部を充填するという作業の繰り返しだったのです。欧米では、すでに20年以上も前から、口の中から虫歯は姿を消していました。

 

虫歯予防の大きな発展だと言えます。日本でも徐々に欧米の状況に近づきつつあります。国民の口腔から虫歯が無くなり、歯を抜くことなく残すようにすると、歯が残っていることにより問題が浮き彫りになってきています。

 

それが、噛み合わせの問題になります。正しい噛み合わせとはどのような状態を言うのか、実は、この答えは今だ解明されていませn。一見、上手に噛み合わさっているように見えても、実際には、筋肉や顎関節、頭頸部に問題を持っている人が極めて多いのです。

 

遡ると、ホモサピエンスの噛み合わせは、体幹の直立、および脳の進化発達と密接に関係しながら、変化をしてきました。特にストレス社会の中で生活をしている現代人にとって、噛み合わせは、ストレス発散のために重要な役割を果たしていると言えます。

 

悪い噛み合わせはなぜ良くないのか、という質問に対する答えは、見た目が悪いとか固い物が噛めないといったもの以上に、実はもっと重大な問題として、ストレスの発散が上手くいかないことが挙げられます。

 

現代人にとって、噛む事によるストレスの発散は、全身の健康を守るために極めて重要な役割を果たしているのです。

 

噛み合わせを正しくする理由もそこにあります。そのためには、どのような噛み合わせにするべきか、あるいはどのような噛み合わせが人間にとって正しいのかを理解する必要があります。歯科矯正の技術の進歩は、矯正装置の改良、または歯の移動のための方法の発達に依る所が大きいのです。

 

しかしながら、最も重要などのような噛み合わせを作るべきかという点についての研究はまだまだ遅れているのが現状です。歯をなるべく抜かずに、あるいは抜くとしても噛み合わせを悪くする原因と考えられている奥の歯(親知らず)などを抜歯して治療しようという考え方の根底には、人間にとっての噛み合わせの重要性を尊重し、全身の健康を維持しようとする概念があるのです。